日本酒が苦手な妻が飲めた、クラフトサケ「磊峡」の話
お目当てのお酒は、買えませんでした。でもこの日の買い物は当たりでした。そういう日の記録です。
最近、「クラフトサケ」という新しいジャンルのお酒が気になっています。中でも飲んでみたかったのが、福岡の醸造所「LIBROM(リブロム)」のお酒。公式サイトを見ると、広島だと酒商山田の宇品本店に置いてあるとのことだったので、車で向かいました。
売り場は2階、棚は圧巻
初めて行ったのですが、駐車場に停めてから入り口が少し分かりづらかったです。奥側が酒商山田の本部で、手前の建物が販売店。入ってすぐのところに「売り場は2階」と案内が出ていて、階段を上っていく造りになっています。

上りきった先が、圧巻でした。
日本酒だけじゃありません。クラフトビール、焼酎、ワイン。スーパーや居酒屋では見かけないお酒がずらっと並んでいて、ラベルやパッケージも個性豊か。これだけの数が並ぶと、棚がひとつの絵みたいに綺麗なんですよね。

温度と湿度が管理された日本酒専用のセラーの部屋まであって、そこにもびっしり並んでいました。

で、肝心のLIBROM。見つかりません。店員さんに伺うと、ちょうど在庫切れで、八丁堀の店舗ならあるかもしれないとのことでした。ここまで来て空振りか、と一瞬なりかけたのですが、この後の展開が良かった。
「クラフトサケでしたら、こんなお酒もありますよ」
LIBROMが目当てだったと伝えると、店員さんが勧めてくれたのが、宮城・秋保(あきう)の「秋保ハートロックサケ」というクラフトサケの造り手でした。銘柄は「磊峡(らいきょう)-RAIKYO-」。ホップ、烏龍茶、和紅茶の3種類が並んでいて迷ったのですが、日本酒としてはいちばん馴染みのない和紅茶を選びました。500mlで2,090円、アルコール度数は11度です。

クラフトサケというのは、ざっくり言うと、日本酒の造りをベースに、茶葉やホップや果物といった副原料を一緒に発酵させてしまう新ジャンルのお酒です。米と米麹で造る日本酒の枠から外れるので、法律上は「日本酒」を名乗れないことが多い。だから「クラフトサケ」という新しい名前で呼ばれています。
ラベルは青いハートが波みたいに散った柄で、日本酒の棚ではかなり目立ちます。調べてみると、蔵の名前は仙台・秋保の景勝地「磊々峡(らいらいきょう)」にあるハート型の岩のくぼみが由来だそうで、ハート柄はそういうことかと後から腑に落ちました。

米の味はしっかり、後味は甘い
家に帰って、まず冷やで飲みました。
爽やかでフルーティ。日本酒独特の米の味や香りはちゃんとあるのに、後味が甘いんです。日本酒の「甘口・辛口」の尺度の甘さではなくて、率直に甘い。白ワインのようなフルーティさと甘さ、と言うのがいちばん近い気がします。意外だったのは、和紅茶なのに紅茶感をほぼ感じなかったこと。ここは正直に書いておきます。
そして今回いちばんの発見がこれです。日本酒が苦手な妻が、飲めました。
本人いわく、日本酒を飲み込んだときに鼻へ抜ける、あの独特の香りがないから飲める、とのこと。日本酒好きとしては、あの香りこそ良さだったりもするのですが、苦手な人にとっては壁なんですよね。その壁がない日本酒側のお酒、というのは家飲みだとかなり貴重です。
瓶に付いていたタグにオンザロックもおすすめと書いてあったので、氷を入れても飲んでみました。

美味しい。米の味はしっかりするのに、後味はフルーティで甘い。後味はチャミスルと似てるな、と思いました。ただチャミスルみたいに甘ったるくはなくて、爽やかに鼻から香りが抜けていく感じです。
日本酒の甘い・辛いの話は以前書いた「とりあえず辛口」の記事でも触れましたが、この酒の甘さはあの尺度の外にいます。物差しごと違う飲み物として出てくるのが、クラフトサケの面白さなんだと思います。
……と、偉そうに語りましたが、僕もクラフトサケをちゃんと買ったのはこれが初めてです。
一本飲んでの結論。クラフトサケは、日本酒好きには新鮮で、日本酒が苦手な人とは一緒に飲める。この立ち位置はずるい。ほかの造り手のも飲んでみたくなりました。振られたLIBROMは、八丁堀の店舗でリベンジ予定です。
それと今回の教訓をひとつ。酒屋で目当てが売り切れていたら、黙って帰らずに店員さんに話してみてください。目当てより面白い一本が出てくることがあります。
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