酒ひろばの8枚を使ってみた。一番の敵は、銘柄選びより行列

並んでいる間に、目当ての酒が売り切れる。酒の祭りに行った人なら、一度は味わったことがある負け方だと思います。僕は10月10日、西条の酒まつりの「酒ひろば」でそれをやりました。
事前の記事で、公式サイトの情報だけを頼りに「8枚は2枚で基準を作って、6枚で知らない県を回る」と書きました。今回はその答え合わせです。結論から言うと、8枚の価値を決めたのは行列でした。
入場券4,200円で8杯。ただし、つまみはこの8枚では買えない
まず数字の確認から。僕が買った前売入場券は4,200円で、公式サイトの案内どおり、試飲用のお猪口と和らぎ水1本と酒チケット8枚が付いてきました。入ったのは10日の13時の回。酒ひろばは完全入替制で、1回の試飲時間は2時間15分です。
入口で手荷物を見られます。公式ページには飲食物の持ち込みはお断りとあり、ペットボトルを持った人が確認されていました。中に入ると、地方ごとに色分けされたテントがずらりと並び、それぞれに「最後尾」の札。ここから先はひたすら、並んでは1杯、の繰り返しです。
ひとつ誤算だったのが、つまみです。酒チケットは酒専用で、酒のあてやソフトドリンクは会場内で売っているポイント券で買う仕組み。10枚つづり1,000円、5枚つづり500円で、ポイント券3枚で追加の1杯も飲めます。事前の記事では追加試飲の話しか書いておらず、つまみも同じポイント券だという点が抜けていました。会場で出た言葉を、そのまま書いておきます。「おつまみ絶対買ってくるべきだったね」。持ち込みはできないので、正しくは「ポイント券を先に買っておくべきだった」です。
目当ての獺祭も北海道も鳥取も、13時の回で売り切れていた
8枚の使い方で一番大きかったのは、売り切れです。目当てにしていた獺祭の二割三分は、回が始まって30分足らずで、もう売り切れの話が出ていました。北海道のテントは14時過ぎには「全部売り切れらしい」という状態で、鳥取で飲みたかった酒もなかった。公式の会場ページによると、試飲用の酒は銘柄ごとにクール単位で提供量が決まっていて、クールの途中で品切れになることがあるそうです。前の回に飲み尽くされたわけではなく、人気銘柄は入場した直後に勝負が決まる仕組みでした。
そして行列です。1杯ごとに並び直すので、2時間15分のうちかなりの時間を列の中で過ごします。そのとき口から出た言葉を、そのまま書きます。「もう並ぶのだるすぎて、中国地方で全部済ましちゃいそう」「こういう時の代行サービス欲しいよね」。並ぶのが面倒で、地元の中国地方のテントで全部済ませたくなる。でも、それはもったいない、という話もしていました。
もうひとつ、座る場所です。テント内の有料席は1,500円で前売のみ、各回140席で、公式の案内では全回完売。僕は取っていなかったので、2時間15分ずっと立ちっぱなしです。「疲れた」「席欲しいね」と、何度も口にしていました。芝生に座り込む人もいましたが、公式は会場内の地面への座り込みをしないよう呼びかけています。座りたい人は、有料席を前売りで押さえるしかありません。

覚えている6杯と、一番だった1杯
銘柄まではっきり覚えているのは6杯です。竹原の誠鏡、京都伏見の坤滴(ラベルには特別栽培米の山田錦で仕込んだ純米酒とあります)、新潟のイットキー、「大辛」の札が付いた大虎、岡山の鬼城、同じく岡山の備前幻 雄町純米(順不同)。ほかに北海道の酒を1杯飲んだ気がするのですが、銘柄までは覚えていません。
一番だった1杯は、イットキーです。僕の言葉はこうでした。「とても甘いのにスッキリ飲めた。」テントの一覧表では、この酒の日本酒度は「非公開」。甘いのに重くない、という感想は、数字がないぶん、自分の舌だけで出した答えです。

その一覧表の前で、日本酒度の向きが一瞬あやふやになりました。「プラスの方が甘口だっけ……逆だ。プラスが軽くて、マイナスが甘口」というやりとりをしました。辛口の記事で書いたとおり、糖分が多いとマイナス側、少ないとプラス側。立ち飲みの会場で一覧を見るときは、ここだけ覚えておくと迷いません。一覧にはマイナス18という酒もあって、気になっていました。
ほかの杯で出た言葉も、短く残しておきます。鬼城は、「辛口寄り」と言いながら、キリッとした感じは少なくて、「これって旨味なの」と首をひねっていました。備前幻はブースの人のおすすめで、「辛くもなく甘くもなく飲みやすい」「いい意味で癖が無い。丸い」という言葉が出ました。どれも、飲み比べの場だから出る言葉だと思います。
来年行く人へ。8枚の前に、入る順番とポイント券
答え合わせをすると、事前の記事で書いた「2枚で基準、6枚で知らない県」は方針としては間違っていませんでした。ただ、その前に決めておくことが3つありました。
ひとつ目は、入場したら最初に目当てのテントへ行くことです。提供量はクールごとなので、回を変えても同じ勝負になります。公式には入場は先着順とあり、混雑時は開場を早めることもあるそうなので、目玉の銘柄があるなら開場前に並んで、最初の1枚をそこで使う。知らない県を回るだけなら、慌てなくても十分に楽しめます。
ふたつ目は、入ったら早めにポイント券を買うこと。酒のあては酒チケットでは買えません。1,000円の10枚つづりを1冊、最初に買っておくと、つまみとソフトドリンクがいつでも手に入ります。杯の間に和らぎ水をはさむのは、前編のとおりです。会場で聞いた「升や受け皿を持っていくと多めに注いでくれる」という話は、公式ページに「持参した容器への提供はお断り」とあるので、当てにしないでください。
みっつ目は、並ぶ時間を8枚の中に入れて数えること。2時間15分で8杯なら、1杯あたり17分です。人気のテントで20分並べば、それだけで1枚ぶんの時間が消えます。そういうテントばかりに並べば、計算上は5杯で時間切れです。8枚を使い切ることを目標にしない方が、1杯ずつの印象がきちんと残ります。
酒ひろばは、酒を選ぶ会場というより、時間を配る会場でした。来年は開場前に並んで、まず目当てのテントで最初の1枚を使い、そのあとポイント券を買ってから、列の短いテントで基準を作って、知らない県へ向かうつもりです。
新着記事と、酒づくりの近況をLINEで
記事の更新と、酒づくりの進み具合を、ときどきお知らせします。
LINEで受け取る
コメント
まだコメントはありません。最初の一杯、どうぞ。