2026年の西条酒まつり、酒ひろばの8枚をどう使うか
今週末、10月10日(土)と11日(日)は、西条の酒まつりです。JR西条駅のまわりが祭りの会場になって、全国の蔵の酒が一か所に集まる、日本酒好きにとっては年に一度の大きな週末です。
公式サイトのお知らせによれば、今年は801蔵の酒が一か所に並ぶ祭りです。ただ、初めて行く人にとっては「酒ひろば」の仕組みが分かりにくく、せっかくの入場券を持て余しがちだとも思います。今日は、料金や時間などの数字を酒まつり公式サイトの案内から取りつつ、酒ひろばの中身と、入場券に付いてくる8枚のチケットの使い方を書きます。
10月10日・11日、西条の駅前が祭りの会場になる
まず基本から。2026年の開催は10月10日(土)が10時から19時、11日(日)が10時から17時。会場は東広島市西条町で、西条中央公園や西条酒蔵通りなど、JR西条駅のまわり一帯が使われます。主催は2026酒まつり実行委員会です。
歴史も長くて、公式サイトの説明では、1979年に始まった「みんなのまつり」と、西条酒造協会が1972年ごろから行っていた「西条酒まつり」が統合されて、1990年に今の形になったとあります。毎年10月の3連休の土日に、西条中央公園と西条酒蔵通りを中心に開かれる。当日は企業や学生のボランティアが1日およそ400人、2日間で約800人も支えている、という数字も載っています。
メイン会場にはステージとグルメ、蔵元では限定酒の販売や酒蔵コンサート。そして目玉が、全国の地酒を試飲できる「酒ひろば」です。今年のお知らせには「全国から801蔵のお酒が勢揃い」とあり、新企画として7つの蔵の酒をブレンドした「神龍」という酒も出るそうです。
酒ひろばは、「8杯分」の入場券で入る有料会場
入場券が要る有料会場なので、ここの仕組みを知っておくと動きやすくなります。前売入場券は4,200円(税込)で、試飲用のオリジナルお猪口と、和らぎ水1本、酒チケット8枚が付いてきます。当日券は5,000円で、前売で完売していない回だけ販売。入場は完全入替制で、10日が10時・13時・16時から、11日が10時・13時からの各回。1回の試飲時間は2時間15分です。
試飲は酒チケット1枚につき1杯の立ち飲み形式で、同じ銘柄は1人1杯まで。つまり入場券1枚は「8杯分の権利」で、801蔵の中から8杯をどう選ぶかが、この会場の遊び方そのものになります。会場内で売っているポイント券3枚で追加の1杯を試飲する仕組みもありますが、まずは8枚の使い方からです。座れる有料席(1,500円の単体券もありました)は前売りのみで、公式ページによるとすでに全クール完売。当日は立ち飲み前提で考えておくのが安全です。
8枚は、2枚を「知っている酒」に、6枚を「知らない県」に
ここからは僕の考えです。8枚を全部「有名そうな銘柄」に使うのは、もったいないと思っています。8杯も続けば、後半は舌が慣れて違いが拾いにくくなるからです。
最初の2枚は、ふだん飲んでいる酒に近いものに使ってください。広島の人なら地元の酒、県外から来た人なら自分の土地の酒か、ここ西条の酒を1杯か2杯。これは楽しむためというより、その日の自分の舌の基準を作るためです。会場は立ち飲みで、周りは賑やかで、酒はどんどん出てくる。基準がないまま知らない酒を8杯飲むと、記憶に残るのが「全部おいしかった」だけになりかねません。
残りの6枚は、飲んだことのない地方に1杯ずつ。銘柄で選べないなら、特定名称酒の記事で書いた「純米系か、米をどれだけ磨いたか」の軸と、辛口の記事で書いた「香りが華やかか、食事向きか」の軸だけで選べば十分です。同じ県の酒を2杯続けるより、違う県を回ったほうが、あとで思い出したときに差が残ります。
そして杯と杯の間に、付いてくる和らぎ水を必ず飲む。苦手な人との飲み方の記事で書いたとおり、日本酒造組合中央会も勧めている飲み方で、酒ひろばの公式ページにも、自分に合った飲酒量で楽しむよう書かれています。8枚を使い切る義務はありません。6枚で十分だと思ったら、残りはそこで終わりにしていい。
酒ひろばの外にも、飲まない人の居場所がある
連れが日本酒を飲まない人でも、この祭りは成り立ちます。西条の名物「美酒鍋」がそのひとつです。
東広島市と酒まつりの公式ページによると、美酒鍋はもともと蔵人たちの賄い料理で、利き酒に影響しないように、日本酒と塩・こしょうだけのシンプルな味付けで、豚肉や鶏肉、野菜を調理する鍋です。アルコール分は抜けるので、子どもや酒が苦手な人も食べられる、と市のページにも書かれています。酒まつりには美酒鍋会場があって、4人席(鍋4人前)が17,600円、2人席(鍋2人前)が9,900円の前売り制。ただしこちらは人気で、会場ページでは全タームが完売、10月4日までの再販も終わっています。10月1日からチケットぴあでリセール対応がある、とも書かれているので、これから探す人はそこを確かめる程度に考えておいてください。席が取れなくても、酒まつりの会場内には露店が多数あると案内されているので、飲まない人の時間はそちらでも作れます。
酒ひろばの公式ページには、20歳未満の飲酒は法律で禁止されていること、入場時に身分証明書で年齢確認をする場合があること、飲酒後の運転は絶対にしないことが明記されています。飲む予定のある人は、行きから車を使わない計画にしておいてください。飲む人は電車やバスで、飲まない人は鍋と酒蔵通りと、蔵元の限定酒の買い物で。役割を分けておくと、どちらも気兼ねなく過ごせます。
僕の答えはこうです。酒ひろばの8枚は、2枚で基準を作って、6枚で知らない県を回る。間に和らぎ水をはさんで、無理に使い切らない。801蔵を制覇する祭りではなくて、来る前の自分より1県ぶんだけ地図が広がれば、それで十分な週末です。
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